コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

クリボッチは胸やけがする

 一人でクリスマスというのも初体験だが、別に、小さい子がいるわけではないので、何をするということもない。いままでも、誰かと暮らしていたら、ケーキは自家製で、毎年作っていた。それがなくなるだけのこと。逆にプレゼントを孫たちに上げなくなったので、金が飛んでゆかなくなった。孫が小さいときは、年末年始は恐ろしく、お年玉と合わせて、年金なんかすぐなくなってしまう。みんな孫も大きくなると、顔も合わせない。
 そのどうでもよくなったクリスマスだが、いま勤めている学校から、去年もいただいたが、全職員に青山に本店のあるヨックモックのクリスマスケーキがプレゼントされる。たまたま、それが配られたのが、一昨日の19日で、わたしは仕事明けで旅行に出ていた。二日遊んで、出勤したら、職場の冷蔵庫に箱で入れてあった。本当は、当日に食べないといけない生ものなのだが、三日経っていた。開けたら、ノエルのチョコ生だ。本日中にお召し上がりくださいと、シールがあるが、もう日にちは過ぎている。食べないと悪くなるから、今日中に食べようと、三人分はありそうな、ロールケーキをバクバクと食べようとしたら、昔のわたしではなかった。いまは、胃薬の世話にもなり、胃液が逆流してくる。それなのに、無理してみんな食べようと、義務的に食べたら、やはり胸やけがした。半分残した。こんなことはいままでなかったことだ。何個もケーキなんかぺろりと食べたのに、いまは年なのか、たったノエルひとつを余すなんて、わたしもだらしがなくなったものだ。これではスイーツ食べ放題の店に行っても元はとれない。それでも年のくせに、いまでも食べ放題の店に行こうという気持ちがあるのは自分でも偉いと思う。普通は、もうそんなことは考えられないのだ。
 半分残したケーキも、夜には食べてしまうが、昼飯と晩飯はいらなかった。ケーキでカロリーオーバーで、満腹状態。フレゼントはそれだけでなかった。クリスマスクッキーも3袋もあった。それは日持ちがするから無理して食べなくてもいい。さらに、クリスマスおかきもあった。おかきなんか、クリスマスは関係ないだろう。だけど、便乗して、あられやおかきをクリスマスのパッケージで包装しているだけのこと。それも無理しなくても日持ちがするから後でもいい。
 ゲップ。と、胃酸が逆流してくる。胃薬を飲む。生クリームも消化に悪いのか、牛のように、反芻して、また咀嚼しろってか。あれほど、生ケーキなどもらったら嬉しかったのが、いまは、ひとつでいい。少し食べればいい。おはぎも一個でいい。前のように六個をぺろりと食べたのは、40代のときであったか。いまも食べられるかと、目ではそう思うが、胃と口は反対して、食べたら覿面で、胃はやむし、唇はヘルペス、口内炎と、賑やかになる。背中まで通して痛くなる。


 最近では、洋生というショートケーキよりは、和生のねりきりなどのほうがもらうと嬉しい。カロリーも洋菓子よりはないし、胃に負担にならない。もともと、ケーキ屋だけど、和菓子のほうが好きなのだ。
 学校もいよいよ冬休みに入る。18日で終業式、19日にクリスマス礼拝を行い、大きな学園の礼拝堂で、子供たちが練習していたハンドベルクワイヤという楽器でクリスマスの曲を披露する。聖歌隊も揃いのかわいらしい制服で、讃美歌を歌う。ずっとそういう練習を聴いてきた。ミッションスクールの年に一番大きな行事の礼拝が終われば、そこから今年は長い冬休みになる。われわれスタッフは、ぎりぎりまで仕事で残る。
 先生たちも、21日に、「今年もお世話になりました。よいお年を」と、それぞれわれわれにも挨拶してゆく。そうか、もう来年まで逢わないのだ。会社と違い、学校は早い。年末の挨拶もクリスマス前にしなくてはならない。
 われわれ宿直は、25日が最終日で、先輩がその日の夕方まで片づけをする。わたしはクリスマスの朝に帰ったら、1月5日まで12日も休みになる。さて、クリスマスと正月はどうするか、予定を立てないといけない。寝てばかりいられないが、どこにも出るなと、帰省も控え、初詣も分散しろと、おかみからのお達しだ。サイレントナイトに寝正月、それも耐え難い拷問だ。ばたばたしているのはわたしだけだろうか。


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