コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

梅雨の合間の青空に

いよいよ西のほうから梅雨が明けてくる。その兆しとして7月11日の日曜だが、図書館に来ていて、新聞の束を読んでいたとき、蝉の声が聴こえた。おっ、今年初めての蝉の声。と、しばし耳を傾ける。蝉が鳴き始めたら梅雨明けだ。蝉というのは面白い習性で、雨が降ってくるとぴたりとやむ。そうして雨が上がり晴れてくるとまた鳴きはじめる。
 夏が到来すると、期待感でわくわくする。夏男のわたしは夏が好きで8月が一年で一番好きなのだ。梅雨前線が居座ると、天気予報を見ながら、さっさとどこかへ行けよと天気に文句を言う。毎日が雨で、雷まで鳴り、天気は不安定だ。どこに行くにも折り畳み傘を持って出なければ、先日も近くの郵便局まで行った帰りが土砂降りだ。走って帰ってきた。ずぶ濡れになる。
 それが天気予報では、この日曜は珍しく晴。それでも夕方には天気は崩れるとあった。それならいまのうちだと、海水パンツをはいて出かける。下は海水パンツだけでもバーミューダみたいに長いからハーフパンツと思うだろう。それにサンダル履いてタオルを首に。滅多に帽子はかぶらないが、この前、麦藁帽子を買った。それをかぶって出る。端から見ると農作業か。
 まずは図書館に寄る。本を返してまた借りるが、いつもは文庫本の棚をいまは外国文学の棚まで行ったが、端から攻めている。この日は読みたい本が出てきたので検索して書庫から持ってきてもらう。本が本を呼ぶ。読んでいた本の中で本を紹介して、それも読みたくなるときがある。
 音楽CDもいまはクラシックから初めているので、それも棚の端から攻めている。ジャンル別に録音しているので、クラシックが終わればPOPSへと移行する。いままでは青森にいたときは図書館で好きなCDを借りてきて適当に録音していたので、Bachの後に中原ミレイが入っていたりする、後で聞くとバロックの後に歌謡曲としらける。それで、今度は失敗しまいと、ひとつのmicroSDカードはクラシックだけとした。それと、先月から、映画のDVDも借りてきていた。それがまたひとつの楽しみになる。何枚でも借りられるが、一枚だけにする。吉永小百合様の「母べえ」も見ていなかったので、たまには邦画もいいかなと借りた。ラストは少し不満だったが、戦争が背景の映画はテーマとしていい。役所広司主演の「ユリイカ」は、バスジャックのPTSDの乗客のことがテーマなのだが、三時間半もあり、やたらと長く、途中で苛々した。あまりにも冗漫。半分以下に編集したらいい。失敗作品と思うが世界の賞をとっている。
 図書館の入口に廃棄本をご自由にお持ちくださいと棚に並べている。いつもはあまりないのだが、その日はどっさりとあった。しかもいい本ばかり。さっそく6冊の単行本をいただいてくる。黒田夏子『感受体のおどり』これは読んでいなかった。小島信夫の『ラヴ・レター』山下洋輔の『ドファララ門』など。図書館も寄贈本もあり、いっぱいになると整理しなければキャパを越える。
 背中がずっしりと重くなる。それと海で飲むドリンクもバックパックに入れてある。自販機やコンビニでは買わない。お茶ぐらい自分で作って専用のボトルに詰めてくる。そういうところは百円でもケチる。お茶は健康茶や青汁が多い。
 平塚駅の南口からずっと直線でビーチまで伸びるなぎさプロムナードを歩く。自転車のサイドにサーフボードを付けた若者たちが次々に走ってゆく。まるで、競争するかのように勇んでいる顔がいい。それか、お母さんが子供たちを連れて自転車で走る。後ろに浮袋があるから泳がせるのだ。それは湘南の普通の光景なのだ。
 平塚砂丘の広い砂浜に入る。日曜なのにあまり人が来ていない。泳いでいる人もまばら。さっそく、バッグを置いて、海水パンツ一丁になると、海に飛び込む。釣りをしている人たちもいるから邪魔をしないように少し離れて。珍しく青空、太陽も久しぶりに拝む。潮風も気持ちがいい。部屋にばかりいると運動不足になるし、電気代もかさむ。自然のクーラーがいい。泳いだ後は砂浜に寝て日焼けだった。砂の感触がたまらない。わたしの周辺50m内には人もいない。マスクをとって思いっきり深呼吸ができる。
 海開きはまだだった。来週からで、夏休みになると子供や家族連れで賑わうのだろう。隣の茅ケ崎や大磯も海水浴はやると言っていた。江の島は今年は人が多くなるからと禁止にした。その客がどっと平塚にも来るのではないか。泳げるところを探して車でどこへでも海水浴客はやってくる。湘南のビーチといっても、平塚は何故かほかのビーチと浜伝いなのだが、そんなに人は来ないらしい。観光地ではないからだ。まだ茅ケ崎のサザンビーチのほうが海辺にしゃれた店が並び、飲食もできるが、平塚の海岸にはレストランもカフェもない。海の家もないのではないのか。鎌倉の由比ガ浜は海の家がずらりと並ぶが、びっしりと浜辺は場所取りで混む。そういうところが平塚にはないから、ゆったりと泳げると思う。
 わたしのいるところから真っ直ぐ海に行くと、虹ケ浜というビーチに出るが、そこは全然人がいない。店もないし、釣り人がいるぐらい。そこに来年から着工してリゾート施設ができるのだとか。設計図を見たら、海浜公園も造り、ウッドデッキにレストラン、プールなどもできるのか。そうなればきっとどっとそこに集まるのだろう。いまのところはプライベートビーチみたいなものだ。今年はそこでひと夏、パドルボードをで遊ぼうと思う。


 帰りはまたスーパーに寄って晩飯でも買ってゆこうと、最近は手抜きで弁当でごまかす。楽をしようとするから栄養が偏るのだ。そうして図書館と海と買い物の散歩で、この日も万歩計は15000歩の目標は達成した。


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