コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

精神科受診

 相方は最近、デトックスという言葉を頻繁に使う。解毒するということで、体内から悪いものを出すことだ。それは、精神的なものも含めると、相方の悪い人格を叩き出さないといけない。差別的で傲慢な人格を追い出したら、本当の面倒見のいい優しい女が残ればいい。
 相方と一週間ぶりで会ったら、先日、受診したことを話して聞かせた。東大付属病院の精神科を予約して、娘と一緒に行ったことは前にここで書いた。どういう検査をしたのか、気になっていたが、本人から温泉に行って、いろいろと話してくれたので貴重な内容を得た。
 驚いたことに、千代田区の職員の女性も同席したことだ。福祉課の人と思われるが、生活保護の申請をして、会議にかけていると言っていたが、その該当にあたるかどうかの判断材料で、精神的病の確認に同席したものだろうか。
 その段階で、相方もおかしいと気が付かないといけないのだが、今回は素直に従ったのは、いままでにないことだった。わたしとしては長年放置されてきたので、今回はひとつの大きな進歩と喜んだ。
 9時の予約で診察室に入ったら、精神科の医師が三人もいたという。さらに部長先生まで来ていて、医師四人から根掘り葉掘り聞かれたという。まずは、幼少のころからの出来事すべてと家族関係、親のことまで調べられた。本人はまるで興信所みたいですねと周囲を笑わせた。自分のことについては、すべて話した。そういう東大の医師たちが聴いてくれるのが本人にとっては嫌ではないらしい。いままで誰も聞いてくれなかったことも、自分から話した。職員さんは驚いて、記憶力はいいですねと誉めていたという。わたしは、ペーパーテストみたいなことはしなかった?と聞いたら、どうしてそんな試験みたいなことをするのよと、すべて向こうからの質問に答える形で三時間にも及んだというから、一人の患者にそれだけの時間を要したといのも、きっとレアなケースだからだろう。いろんな精神病患者がいるが、相方の場合は珍しい。医師が重点的に聴いたのが、ストーカー被害に遭ったときのことだ。それは娘も証言して、20年くらい前にシングルマザーで大阪の企業で働いていたときの様子を話して、医師はそれが原因ではないかとそう診断したという。
 相方が安心して受診することになったのは、東大付属病院に7年前に事務で働いていたということもあって、病院側も好意的に診てくれたとは思う。理路整然とした話し方からは、精神病の片鱗も見えない。だけど、専門の医師の目から見たら、その理論的な話し方と、質問の外敵のことに反応する相方の攻撃的な感情は見逃さなかったに違いない。明るさと快活な話し方も見る人からはドーパミンがどっと出ていて、異常さを感ずるかもしれない。それと、顔つきと目つきからも多くの患者を診てきた医師たちは判っていたのかもしれない。
 今月中に、今度は脳内検査を行うという。MRIかCTか、脳の断層写真から何が見えてくるのか。治療はそれからだろう。それでも、相方は、どうして精神科を受診するのかと、あれほど自分はおかしくないと突っぱねていたのが、折れたのだろうか。あるいは、正常であることを証明してもらうために、調べてもらうとか、それは正常か異常かの裁判みたいなものだ。医師の診察結果には従い、認めるのかも知りたいところだ。それによって治療をさせるなら、万々歳だ。病識だけあってくれたら、治りも速いのだ。


 去年、南青山の億ションのフロントにいたこともあるが、そこで勤めていたわたしと仲のいい男性コンシェルジュの奥さんも、統合失調症で、陰性だという。働かないで、家にばかりいて困っていると、相談を受けた。うちとは逆で、相方は陽性で、外には出る。仕事もしたがる。彼の奥さんは仕事はできないから、相方のほうがましだと言っていた。ただ、その奥さんは病識はあって、通院はしているといいうから、すべてがうちと逆なのだ。どっちかいいものか。自分がおかしいと認めてくれて、妄想が、それで消えたらすべてが治る。
 これからどうなってゆくのか、明るい兆しはある。妄想が消えたら、料理は上手だし、世話好きで、情もあるから、人当たりもよく、仕事もばりばりとするだろう。すべて問題はなくなる。その一点を今回はどう治療するかだ。


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