コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

千葉逍遥 谷津バラ園と干潟

 テレビで見たのか、谷津バラ園がいまが見所と。ところで、バラなんか初夏に咲くものではなかったのか。秋にも満開とは。年に二回あるというのか。そういえば、千駄木で暮らしていた5年くらい前に、相方と自転車で旧古河庭園のバラを見に行ったことがある。洋館と池までの斜面にバラ園が満開で、いままでもあちこちのバラ園は見てきたが、あすこが最高美しかった。陸奥宗光の住んだという建物のようだが、宗光の奥様は美人で、それこそバラのような方だ。窓辺に立つ姿を想像したりしていた。
 いま、なんとなく、仕事帰りに、どこかに寄り道してゆこうと、思い立ったのが、その谷津バラ園。秋バラというのか。行き方としては、東京から総武線で船橋で降りて、京成電車乗り換え、谷津駅で降りると調べた。千葉の習志野市らしい。干潟もあるというので、両方見たい。
 弁当とドリンクを買っていって、公園で食べようと、ピクニック気分で、乗り換えの船橋の激安店で買い物。船橋は買い物ではよく途中下車した。ついつい買いすぎて、また背中も重いし、エコバッグまでいっぱいだ。隣に豆腐屋もあった。あちこち支店がある豆腐屋で、あれば覗いて買ってゆく。おからと、豆乳はビニール袋に入って1リットルで100円だ。豆腐屋さんの豆乳は混ぜ物なしのそのままだろう。その店頭でお弁当も売っていた。大きな海老天が二本入っているのが280円。昼はそれにしよう。と、谷津駅に着いたら、何もないと思いきや、すてきな商店街がある。街路樹が合歓の木か、なんとなく外国に来たような爽やかさ。飲食店も入って食べてみたい店がいっぱいあった。閉めている店もあったが。そこに八百屋が二つあった。やめろよ、荷物をこれ以上増やすな、買うなと、もう一人の自分が制止してるのに、安いとついつい買った。玉ねぎ4個で100円。にんじん4本で百円、ネギ3本で100円。レタス50円、いい加減にしろ、持って歩くのか。大根100円までは止めた。


 で、荷物を軽くするために、バラ園の入口の公園ベンチで昼飯となる。いい天気で仕事明けで眠いのだが、久しぶりの外での食事。ヤンママたちが子連れで来ていて、ベンチでやはり食べているが、その会話を聞いていて、なんという言葉使い。お母さんになってもヤンキーは変わらないか。
 バラ園は老人は半額の250円とある。身分証明を見せないと信じてもらえない。高齢者だなんて嘘でしょう、40代にしか見えないと、言われてみたい。
 バラは確かに満開で、いろとりどり。名前は女優の名がついたりしている。わたしの好きなクラウディオ・カルディナーレ。イギリス王室の王女の名前とか、日本のミチコもある。池と斜面と噴水と、西洋庭園の造りだが、いまは水の入れ替え中で、作業をしていた。ここは昔なんであったのか。谷津遊園というのは知っていた。昭和50年代まであったが、閉園した遊園地の跡地に作ったのか。それと入口にあった記念碑には、巨人軍発祥の地とある。昭和9年に大リーグが試合のためにアメリカからやってくる。ゲーリックやベーブルースが来るというので、日本でもプロ野球と球場を作った。それと映画撮影所もあったと書かれていた。時代の流れですべて移設され、いまはバラ園だ。
 バラの香りのコーナーもあるが、わたしはどうもバラの匂いが嫌いなのだ。棘もあり、バラそのものが好きではない。ブルガリアに四年前旅したときは、バラの谷を列車で走り、ブルガスなどの街で、バラの専門店から土産を買った。バラジャムや石鹸、相方は娘にもとボディクリームも買った。あのときは初夏のバラで、思い出すのが、ハンガリーのドナウのほとりにあった避暑地のヴィシェグラードの宿の庭に咲くバラだった。どこかしこバラを見て歩いた旅だった。
 いつものようにブログや詩に添える写真をスマホで撮る。ブログはわたしのメール代わりなのだ。生きているよとみんなに教える。ベンチで少し休んだ。どうも眩暈もして、体の調子はよくない。動きすぎるからだろうか。いつまでも若いと思っていても、体がついてゆかない。
 バラ園の裏に干潟はある。船橋から海岸は干潟ばかりで、海苔の産地でもある。対岸に谷津干潟自然観察センターが見える。ぐるりと一周できるが、歩く元気はない。水鳥と葦などを見ていた。ラムサール条約25周年という。保護されているのだ。
 公園をぐるりと歩いて駅まで戻る。電車は隣が京成津田沼で、そこから千葉方面の京成電車に乗り換えて、四つ目が稲毛と、うちの傍になる。疲れていたが、帰りは楽だった。たまには、こうして千葉の観光もいいかな。



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