コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

湘南平までハイキング

 猛暑日まではゆかないで、天気がいいと、どこかに出かけたくなる。また散歩と買い物か。海は閉鎖されていたし、ボードに乗るのも台風10号が来ているので、波が高く、海は荒れているだろう。何も予定もなく、いきなり、そうだ、湘南平まで歩こうと、咄嗟の思いつきで、お茶をボトルに詰めて、ハーフパンツにTシャツと軽装で出かける。
 三か月前に、平塚に来たばかりのときにバスで湘南平まで往復したことはある。うちのマンションから小高い丘のような湘南平は見えていて、近いようにも思える。大磯寄りの平坦な平塚市の街にこんもりと標高160mくらいの山がある。高麗山という。その山頂近くに平坦な公園があり、テレビ塔と展望台、レストランなどがある。バスは三時間に一本など、一日に何本もないので、歩いて行っても知れているだろうと、運動のためのハイキングだ。
 途中のコンビニで、お茶だけでは心細いので、1リットルのレモン水とおにぎりなどを買う。山頂で昼飯も食べたい。周辺にはいろんな史跡もあるようだが、今回は寄り道していると疲れるから、上まで行って戻ってくるだけ。ハイキングコースの看板には、由緒ある寺もあるし、池もある。横穴という大磯でも見たが、古代人の墓の穴があるところも見たい。平塚には小さな滝が三つあるとyoutubeで見た。それも一日がかりのコースなので、別の日にしたい。
 金目川の高麗橋を渡る手前に全国チェーンの紳士服店があり、店頭にTシャツが処分品とハンガーで吊っていた。500円くらいで、プリント柄がサーフィンなので、湘南だなと一枚買った。他にも夏物の部屋着上下が安かった。それをレジに持ってゆくと、日焼けしているので、百円にしますと、負けてくれた。よく見ないと日焼けかどうか分からない。もうすでに着ているTシャツは汗でぐっしょりだ。着替えもいるだろうと、買ったのが儲かった。
 湘南平の山道をくねくねと登ってゆく。途中で疲れたら、木のベンチで休みながら歩く。マスクは汗で濡れて気持ちが悪い。手にぶらさげて歩くことにした。タオルハンカチもぐっしょりで、大きなタオルも持ってきたのを首に巻く。車はたまに上ってゆくが、歩く人などいない。こんな山の中だからマスクはいらないだろう。
 ようやく上の広いところに辿り着いた。車は駐車場の何台か止まり、平日なので、訪れている人は少ない。まずはベンチで弁当を広げる。皆さん、食べ終わった後で、おしゃべりばかりしていたが、やがて、下山したのか誰もいなくなる。ごろんと横になり、文庫本を開いて読む。青空と雲。見渡せる海。眼下には平塚の街。大磯も見える。富士山もくっきりだ。伊豆の大島と江の島も見えている。ここに登るのは天気がいいときに限る。眺望が素晴らしい。二度目なので、そんな感動もないが、伊豆半島と三浦半島がずっと見えている。気持ちがいい。いつも部屋に閉じ込められていると、広い視界が気分が違う。ベンチで寝転がって昼寝もしてみたい。
 展望台に上り、一番高いところで単眼鏡を出して見てみた、小さな手のひらに入る大きさで百倍だ。小さな三脚もついているので、それで灯台や大磯のロングビーチなどを見ていた。丹沢の大山もよく見える。コロナであることを忘れる。
 後で青森の妹にメール添付で撮った写真を送ったら、「神奈川県も緊急事態宣言を出して大変なことになっているというのに」と、お気楽な兄を仕方なく思っているか。それでも自然の中で人間がいなければいいのだ。街で買い物するほうが怖い。
 帰りは夕方、歩きすぎたか、足も痛む。休み休み帰ってきた。住宅地を適当に近道かと曲がったら、小さな地元のスーパーを見つけた。おかずになるものを買う。ブリが二切れで98円と半額だ。それは下がっているから帰ったら生姜醤油で甘辛く煮魚にしよう。
 万歩計では2万歩の14キロだった。最近は歩く距離がとれないので、足も疲れやすい。鍛えないと弱ってくる。自分の体は甘やかさないのだ。
 

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