コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

サ黙 黙浴 黙食

 夏のくそ暑いときは、温泉に行こうとは思いつかない。だけど、汗臭い自分の体はシャワーばかりでは疲れもとれないし、臭いもとれない。風呂も入れて入浴剤も使っているが、風呂に洗濯に使う柔軟剤を入れたら、いい匂いがするのではないか。除菌もしないと、と、そんなバカなことはせずに、スーパー銭湯で一日入ったらいい。と、月に二度のスーパー銭湯に隣の茅ケ崎市まで歩いて行ってみる。関東のあちこちにある竜泉寺の湯という。スーパー銭湯好きのわたしは、その支店の八王子や埼玉の草加、横浜のそこの経営の温泉にも行ったことがある。だいたい関東一円のスーパー銭湯の大半は調べて行っている。
 茅ケ崎の温泉には、三か月前に、平塚に引っ越してきたときに一度来ていた。いい雰囲気の温泉で気に入る。岩盤浴がよかった。いろんな種類と部屋があり楽しめた。今回は岩盤浴プラスとなると高くなるのでやめにした。風呂だけでいい。
 歩いて一度、相模川の橋までは行った。自転車では20分くらいで茅ケ崎市街に行けたが、歩いて入ったことはない。国道1号線をずっと歩いたらいい。橋を越えたら茅ケ崎市だ。バイク屋ばかりが何店も並ぶさすが湘南茅ケ崎と思うエリアを通る。信号と高速道の下を右折すると、パチンコ屋やマンションが建つ東海道線の電車からは見えるが、ちょっと分かりにくいところに温泉はあった。そこまで歩いて家から40分。
 雰囲気はリゾートでバリ島のようだ。まずは大浴場へ。どこにでもあるが、高濃度炭酸泉はぬるめでいい。お子様用の風呂も半身浴で浅い。サウナは熱すぎた。5分といられない。わたしはサウナーではなく、あまり熱すぎるのは苦手で、水風呂にも入らない。ミストや塩サウナは好きだが、よくあんな高温のサウナに長く入っていられるものだ。サウナでも会話はしないでくださいと、サ黙という新しい言葉が大きく書かれて貼ってある。なんでも黙がつく。黙浴もいまはどこでも貼っている。
 シェイプアップバスや泡ぶろ、ジェットバスなんかは空きがないほど塞がっているが、朝に行くと、客が少ないので、露天風呂も三人だけ。サウナも二人しかいなかった。がらからなのは、夏は温泉というと暑いからと敬遠されるのか。入口には、注意書きがしてあって、水着や砂をつけた人は入館できませんと断り書きがしてある。サザンビーチで泳いだ人が午後に温泉で砂まみれの体を洗いに来ると脱衣場も汚れる。そういう海水浴客も多いのだろう。
 露天風呂は壺湯も泡風呂で、シュワシュワがお尻から噴き出す。寝湯と座り湯が気持ちがいいのは、頭のところに通る管に後頭部を枕代わりに着けると、冷たくて管の中を水が通っているのだろう。シルクの湯もある。細かい粒が弾けると、マイナスイオンの効果があるとか。富士見の湯からは富士山が見えていた。午前中までは天気がよかったからビーチチェアで日焼けもした。それが4時間半くらい入って、午後に出ようとしたら雨。
 昼飯も食べていないので、歩いてまた相模川を渡り、国道沿いには全国チェーンの飲食店が並ぶが、ららぽーとも近いので、そのショッピングモールにある飲食店フロアに寄ってみた。平日の夕方なのに混んでいる。並んでいた。何がいいかと見て歩くがイタリアンとハンバーグはいらないし、海鮮丼などの海のものもいらない。カレーも食べたいとは思わない。トンカツもいつもだからと、食べたいものがない。ラーメンもどうか。それで自分の好きな蕎麦屋に入る。釜揚げシラス丼とザル蕎麦のセットを頼む。シラスも湘南定番で、どこでも出している。
 カウンター席で一人用。プラ板で仕切りしていて、黙食と貼り紙。手の消毒は入口で、このモールの入口では検温と、どこも厳しいが、それが日常になってくる。みんな黙々と食べている。お喋りも食事の一部だから、会話もなしで仕切り板で囲まれていただく食事も美味しくはないだろう。わたしは一人だからいいとしても、家族で来てもつまらない。飛沫が飛ばないような会話ができるマスクはないものか。
 普段はあまり外食はしないのだが、飲食店を応援したい気持ちはある。わたしも昔は飲食店も経営していたので、その気持ちになれるのだ。これからは感染拡大してくると締め付けは厳しくなる。東京のようにデパートもそのうち完全閉鎖となるかもしれない。先が見えないのがどの商売も厳しい。どうなってゆくものか。


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