コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

辻堂とはどんなところか

 先日は大磯に行ったが、今度は逆方向の辻堂に行ってみようと、久しぶりの駅に行く。駅のみどりの窓口で、来週行く旅行だが、いわき市までの特急の指定券だけ取りにゆく。たぶん、がらがらだろうが、万が一、みんな大人の休日倶楽部のフリー切符を手にしたおじさんやおばさんで満席ということにでもなれば、全席指定では乗れない。指定席は五回まで取れるのかな。帰りは盛岡から東京駅まで新幹線だ。
 辻堂は降りたことがない。どういうところなのか散歩に出かける。平塚から二つ横浜寄りだ。何分もからない。自転車でも行けるだろう。
 午前中からまた日帰り探検をしている。梅雨の合間の雨でなければ。それでも折り畳み傘は持参。辻堂は隣駅の藤沢で藤沢市辻堂なのだ。藤沢も賑やかなところだが、この辻堂も駅前にでんとテラスモール湘南という大きなショッピングセンターがある。相当でかい。まずはそこを見学。別に買うものはないだろうが、広い館内を歩くだけでも運動になる。入ったら、どこもここも同じ全国チェーンでブランドショップばかりで辟易する。店内を見る気もしない。それでも二三の店でいいものを見つけた。300円ショップはあるが、そこで小さな吊るタイプのプラントが300円と、パイナップルのアームレストの浮袋が200円は膨らませて飾っておこう。
 Loftでは、暑中見舞いのハガキが進化していて、音楽が出る、ライトが点滅する、立体になると、これは面白い。青森のおふくろに送ったらびっくりするだろう。その中で、海の家というのを買う。かき氷とソフトの看板に店内では長椅子、氷の旗もいい。それはすべて紙なのだ。昔からあるものだが、台北に行ったとき、それを土産物店で見つけて買ってきたのが15年くらい前だった。古く懐かしい床屋や市場の風景が立体になるボール紙のクラフトなのだ。60円で売っていて、何枚か買ったことがある。
 そういう夏の風物詩を探すのは楽しいが、店は女性ばかりで、男が一人もいない。何か変。昼時なので、何か食べようかとフードコートやレストラン街を見て回るが、どれも高い。ランチで千円以上は出したくない。休憩用の椅子はいっぱい並べてあるから、そこでしばし読書休憩。飯は外で食べようと出る。テラスモールというのはいい。テラスが各階にあって、カラフルなパラソルが並んで、リゾート感覚だ。そこの椅子にも座ったが、暑いので長くは座れない。
 周辺にはスーパーやショッピング街の建物がいっぱいある。いくつかに入って、お買い得の食品を買う。生ものは買えない。安いものもいっぱいあるが、これから散歩に時間がかかる。
 ブックオフもビルの中にあるので、久しぶりに湘南本があれば買おうと入った。すると、本がない。古着や楽器、それと驚くのが、ずらりと並ぶサーフボードだ。さすが湘南のブックオフだ。そのボードの数はすごい。値打ちは判らないが、みんな8万とか10万以上している。そんなに高いのか。たかが、板ではないのか。
 飲食店を探したがあまりない。それで駅の南口に出た。うろうろしていたら、古本屋を見つけた。いまや、古本屋は希少価値で絶滅種、保存されるべき店なのだ。裏通りにひっそりとあった。店内に入ると3冊200円の棚がある。そこで昔読んだが石川達三とこれも読んだが青木玉の『小石川の家』の文庫本を再読しようと買う。奥の帳場におばあちゃんがうつらうつらと午睡中。そっと起こして、すみません、これください。
 古本屋で本を見たり買ったりするのも久しぶりの感覚でじーんときた。それでもまたやりたいとは思わない。誰も入りそうにない古本屋も家賃を払うのも大変だろう。
 湘南のどこの町も、駅の南口から真っ直ぐが海なのだが、駅からの距離もある。グーグルマップで調べたら、平塚と同じくらいか。15分くらいで着くだろう。自転車のサイドにサーフボードを付けて走ってゆく、色の黒い若者がいた。途中で飯としゃれたアメリカンなんとかというウッドデッキのあるレストランを見つけた。いかした男女が食事中で混んでいる。人気があるのだろう。メニューを見たらハンバーガーセットで二千円からおつり。そんなものも食べたくないし、高いしと、通りかかった八百屋を覗いたり、スーパーで仕方なく弁当とドリンクを買って、それを公園で食べることにした。結局そうなるのか。
 道の突き当りに大きな公園がある。辻堂海浜公園という。それがまたすごい。入口から写真を撮る。花は咲いているし、グリーンの上に蘇鉄から椰子の木が並び、シンガポールに行ったとき、植物園がよかったのだが、そこに似ている。南国の公園なのだ。そこのベンチでさっそく弁当と読書。あまり人は来ていない。プールのある広場で若者たちがスケボーをしている。
 交通公園もあり、子供たちなら喜ぶだろう。とにかく広い。それに視界が拡がり気持ちがいい。いままでいろんな公園を見たが、ここは気に入った。
 そこから展望台のある林を抜けたら海だった。砂浜がずっと続く。すぐに江の島が見える。先日は茅ケ崎のサザンビーチに行ったが、ここは藤沢だから、江の島は歩いても行けるところにある。平日の午後なのだが、サーファーは一人もいないし、泳いでいる人もなく、砂浜で日焼けして寝ている男は二人いた。あまり綺麗なので、ついまたスマホで写真を撮り、五年もしていないSNSに画像だけ投稿した。すると昔の仲間たちからコメントも入る。あまり久しぶりなので、死んだかと思われたら困る。
 砂浜で流木を見つけてリュックに入れた。玄関に飾ろうと思う。そこで思い出したのが、わたしが中学のときに、祖父はこうした海に連れてくると、流木や石を探して持ち帰ったものだ。そんなもの値打ちもないのにどうして部屋に飾るのかとバカにしていた。それが祖父の年齢になると、わたしも同じことをしているのが可笑しい。
 そうか、辻堂か、いいところだな。夕方になり帰り始める。周囲はあまりにもカップルばかりでいちゃついて目があてられない。ムードは満点なのだ。こんな海辺なら愛も高まるだろうな。
 なんだか歩き疲れた。ここのところずっと歩いていない。万歩計は21000歩の17キロと出ていた。


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