コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

雇用悪化

 コロナで失業率はこれから上がってくるだろう。いまのところは200万と、不景気な時代と並ぶが、失業の実数に計算されていないのが、見えない失業者だ。引きこもりや無業者、親のすねかじりは入らない。それと自宅待機や失業認定されていない人たち。数字というのはわたしは信用していない。対外的にも、隠すということもするし、政府はいつも大本営発表で、すべてをあからさまににはしていない。みんなそれは判っている。世界的にウイルス検査が進んでいるときに、日本だけ遅れていること、それもおかしい。検査が増えれば感染者は増える。パニックになる。経済優先の考えが根底にあるのはアメリカだけではない。
 じわじわと、雇用悪化が増えてきているのが、毎日見ているインディードなどの求人サイトを見ていたら判る。わたしは、仕事を探していた一年前に、あちこちのサイトに登録したので、いまでも毎日何度もメールでお知らせがくる。それが、一年前と比べたら、なんと求人が少ないことか。それまでは、ずらずらといろんなシニアでもいいという会社が出していたが、いまは数えるほどしかない。たったこれだけと驚く。
 それでも求人が多いのは、資格が必要で、ブラックと言われている賃金が安く仕事が厳しい保育と介護ぐらいだ。それは世の中がどうなろうと、万年人手不足なのだ。技術職は経験と資格があれば、雇用はまだあるが、わたしのように、そんなに経験も資格があっても、限定されたものでは、仕事の幅がどっと減った。いまはシニアに求めていた清掃の仕事も、警備の仕事、マンションの管理人もほとんどなくなる。それは、いままで若者たちが敬遠していた職種で、定年を迎えたわれわれシニアで埋めてきた。それが、若者たちがバイトもなくなり、もうこうなったら、死活問題でなんでもいいやと、警備などの仕事に殺到したからではないのか。
 うちの学校の警備にも、最近は若い人たちが目立ってきた。それまではおじいちゃんやおっさんばかりであったのが、女性の姿も見えるようになる。
 コロナが広まったのは2月からだった。わたしは、いまの学校に勤めていながら、給与が少ないので、バイトもしようと、イベント警備の会社に派遣として登録して、年末年始は、東京駅のクリスマスイベントや渋谷のカウントダウン、初詣の神社、ビッグサイトのイベントなどにオファーがあり、夜勤でもなんでもした。一日出たら14000円からもらえた。学校は月に十日の出勤で、二十日は暇なので、それと別にバイトで公休十日を埋めた。ところが、2月に入るとイベントがどっと減った。ひと月はなんの連絡もなかった。それで、外部の収入が途絶えたので、そこの警備会社は辞めたのだ。
 同じバイトなら、うちの学校の警備ならいいかと、休みの日に月に5日くらい大学の門衛でもやらせてくれないかと、申し出て、会社と別の雇用契約書を交わした。制服も別になる。一日1万円くらいつくので、いまの給与プラスで、しかも、同じ学園内で、知った顔ばかりだから、仕事も見て知っているのでやりやすいと思ったら、突然3月から学校は休校になる。三か月続いた。リモート授業で、卒業式も入学式もなく、それで正門だけ開けて、すべての門は封鎖となり、いまもそれは続いている。そのおかげで、門衛の仕事がなくなり、いままでの門番さんちも仕事がなくて困っているときに、わたしには一日も声がかからなかった。
 それでマンションの管理人でも週に二日ぐらいしてみようかと探したが、いまはないのだ。いまの学校の給与プラス年金でも十分旅行資金の預金はできるのだが、暇だから困るのだ。月のうち二十日も遊んでいるのが勿体ない。ダブルワークで経験を積むとか、いろんな会社を覗きネタができるといいと、それで体も動かし運動になり、バイト料までもらえるし、いろんな人も知るという、わたしにとっては願ったり叶ったりなのだ。
 それがみんななくなると、いまの時期は、じっと我慢するよりない。転職なども考えない。いま勤めているところで後一年もないのだから、動かないことだ。いまのところ学校は潰れることもなく、リストラもない。学生は中途退学も増えているというが、編入学もやっている。われわれの仕事もあるから首が繋いでいる。
 相方も新しい仕事にオフィスに通っているようだが、多くの応募で採用されたという。面接受けはいいから、試験をしても通るし、週に三日の仕事でわたし以上にもらえるようだ。いまできることにしがみついて、余計なことは考えない。どんどんと中小企業は倒産し、大手企業でもリストラと、そんなコロナの時代に仕事があるのはありがたいことだ。いまから探す人たちが大変なのだ。
 飲食店は軒並み閉めていた。いまだに稲毛駅前の商店も青山通りの閉店した店の跡もそのままで、わたしの住むところの近くの豆腐屋さんも閉めた。おからや豆乳を買いに寄った店だった。個人商店は閉めようが報道にも見えないし数字にも載ってこないが、さらに厳しい状況だ。
 ネットで見たら、65歳のシニアが、少ない年金では暮らせないと、職探しをしてもないというので、途方に暮れているとあった。いまは贅沢はいえない。生活も緊縮財政で締めてゆかないと。無駄遣いは厳禁だ。本当の地獄はこれからだ。



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