コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

土曜日は太極拳

 毎週、土曜日の午後は太極拳の稽古日となる。毎日が日曜日だったのが予定が入る。これからは老後の空白を予定で埋めてゆく。
 場所は、先日のように近くの総合体育館ではなく、三か所でやるようで、ころころと変わるのだ。今度の場所は歩いたら少し遠いか。バスでは分からないので、自転車で出かける。上履きのスニーカーを買った。運動がしやすいTシャツとジャージで。
 四之宮という国道沿いにあるふれあいセンターと、昨日はショートメールでお知らせがきていた。先生がおいでになるので紹介すると。前は先生はいなかった。グーグルマップで調べて走る。途中に前に買い物で歩いてきた西友があった。確か、そこでアロハシャツが広告の品で安く売られていた。それもそのときだけのようで、値段は倍近くに戻っていたが、仕方なく買う。気分はすでに夏なのだ。
 走っていると前鳥神社という看板が見えた。平塚でも大きな神社で、この辺りの三社のひとつとあったので、ちょっと寄り道してゆく。その近くが今日の稽古場だ。神社は不思議なもので、鬱蒼とした木々のせいもあるが、神秘的に見える。夏は涼しくて気持ちがよさそうだ。そこも書斎にはなる。
 少し早いが行ってみる。どうも広い公園のようだが、スポーツ施設ばかりに思えた。うちから自転車で15分で来るだろう。おばあちゃんが一人来ていた。それからぼちぼちと集まってくる。なにやら話しているのがワクチンのことだ。わたしもそうだが、平塚市から早く接種できるようになったので、予約日を変えてくださいと、高齢者たちにメールが来ていた。おばあちゃんは、8月末であったのが、6月下旬になったと複雑な気持ちでいた。
 よくよく足元を見たら、みんな白いシューズだ。聴いたら、太極拳用のが売っているという。スポーツ用品店でもネットでもあるという。知らなかった。それは帰ってからネットにいっぱい出てきたので頼んだ。結構高い。
 先生が来たので紹介してくれた。久しぶりの入会のようだ。なにかてきぱきとした平野レミみたいなおばさんだが、話すことも面白く、教え方もうまい。会員はこの教室では15名くらいと言っていた。平均年齢は65歳以下とは思うが、どうも女性の年齢が判らない。
 さっそくホールで稽古。まずはストレッチで、それも中国式のツボを押さえたり、リンパの流れに沿ってとか、健康的な体操だ。一時間それをやる。体がほぐれる。いままでやったことのない運動だ。座って、両足を開いて前屈して、頭を床につける。みんなは体が柔らかい。わたしだけが一人腹の肉が邪魔して曲がらない。そのうち、左胸がつった。いたたたと言ったら、先生が、久しぶりに聴きました、つりましたねと、みんなも笑う。初心者だから、無理なポーズについてゆけない。スポーツジムとはまた違った動きだ。ヨガのように足を曲げて上半身をひねる。それを続けたらだいぶ体は柔らかくなるのだろう。
 先生は初めてのわたしに個人指導する。いいですね、それです、うまいですと、誉めてやらせる。それから基本姿勢の練習。すべて中国語だが、その二十四式の紙をくれた。別に三十二式がある。みんな型なのだろうが、最初の姿勢は起勢と書いてチシと読む。それから左右に進むのが左右野馬分ぞん(この漢字がない)ゾウヨウイエマフェンゾンと読む。馬のたてがみを分けるようにする動作で、みんな意味がある。拳法だから、分ける手は前からの敵の攻撃を避けるために、力を抜いているが、押しても押せない。その辺は合気道と似ている。
 その二十四式を音楽に合わせてゆっくりとやる。わたしは真ん中に立たせられて、四方八方の人の真似をしてくださいと、そのために真ん中なのだ。なんとか足と手の動きを真似てついてゆく。うん、これはボケ防止にもなるな。手足の動きが逆というのは、頭も使う。しかも無理なくゆっくりと流れるようにだ。
 剣も出してきて、先生はわたしに握り方と切り方を教える。判らなかったら、ちゃんちゃんばらばらと遊んでいてもいいからと、まるで子供のちゃんばらだ。本物は片刃と両刃があり、中国の剣なので、日本刀とは全然違う。それを使っての舞踏みたいな形をわたしも真似たが、とてもついてゆけない。ちゃんちゃんばらばらになる。それもそのうち買おう。みんなは自前で折りたたみのものだ。実技で審査もあるというが、そのときは折り畳みでないものを使うようだ。
 最後にまた柔軟体操。胡坐もかけないわたしはどうしようもない。座ってやるのがきつい。まだみんなに話していないが、人工関節を入れているから、内股はできないのだ。医者からも極端な内股姿勢はしないでくださいと、外れたら救急車ですと言われた。相当痛いらしい。この2年、まだ外れたことはないが、その辺は自分で注意したらいい。
 先生も新人の若い生徒が来たからと熱心だ。みんなもそんな雰囲気をしていた。後で終わってから、住所と電話とメルアドを聴かれた。連絡網に入れると。一人のおばさんが、「あなた、おいくつなんですか」と、そっと聞いた。70歳ですよと言うと、ええ? 30代の方かと思いましたと、驚いていた。嬉しい。いままで50代くらいとは言われたが、30代というと、うちの息子たちではないのか。そのことか、みんなおばさんたちが集まって、なにやらキャーキャーやっている。
 帰りは国道を走って市内へと出るのだが、そのロードサイドは全国チェーンばかりがひしめきあっている。マックに寄って、ポイントでコーヒーと読書。それから通りにあるスーパーで買い物。この通りも賑やかで、車でなければこれないが、自転車でもこれから月に二度はここに来るから、買い物にも寄れるな。
 平塚も全部回ったのではない。まだまだ未開拓の町がある。歩きでこれないところは自転車で探検は続く。


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