コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

都心の遠足

 勤めている学校の遠足がまた今年も中止になる。子供たちはせっかく楽しみにしていたのに、可哀想。運動会も去年はやったのか。学校のすべての行事が中止になり、きっと夏休みでも旅行には行けないし、お祭りは中止で、つまらないだろうな。
 都会の子たちはどんなところに遠足に行くのかと興味があった。バスで行くのもあるが、それは予定では、千葉県の館山辺りに、漁の体験というから、地引網をさせるのだろうか。魚市場の見学もあるのだろう。
 山のほうでは栃木県か埼玉か、農場の見学で、それは収穫体験だろう。海と山の第一次産業など、都会で暮らす子供たちは体験学習でもないかぎり、やってみることはない。
 歩いての遠足では、国立競技場や代々木公園とある。それなら、片道何キロもない。歩道も広いし、交通事故の注意をしていたら、心配はないだろうが、交通安全の実地訓練にもなる。代々木公園は広いので、シートを敷いてお弁当を食べるのもいいが、子供らは親に連れられて行っているだろう。本当は、行ったことのないところに連れて行きたい。
 都会は行くところはいくらでもある。青山からなら、有栖川公園もあるし、目黒の植物園は少し遠いか。明治神宮外苑や新宿御苑までなら歩いてゆける。この前は、東京タワー見学があって、子供らはぞろぞろと地下鉄で行ったのか、歩いたのか。野外活動もあるから、先生たちも気を遣う。一番心配なのは、事故と事件だ。このコロナでおかしい事件も多い。みんなイライラして、どんな凶行に出るか判らない。


 田舎の子は遠足というと、かなり歩かせられた。わたしらのときは、一年生のときは片道3キロはあった青森市の海浜公園、合浦公園まで歩いた。二年生のときは、その先の種畜場という牛や馬の種つけをするところがあった。いまは県立病院が建っているところだ。三年生のときは稲山という、東岳という山の近くにある低い山で、そこの原っぱで弁当を開いた。四年生から、バス遠足になり、夏泊半島一周で、大島まで行く。五年生は八戸の種差海岸だった。六年生は函館一泊の修学旅行か。林間学校は、五年の夏だったか、三泊ぐらいで、碇ヶ関温泉で勉強もした記憶がある。われながら、よく覚えている。


 現代の子供たちはますます歩かなくなったろう。どこへでも乗り物がある。親は車で連れてゆく。学校では、最近は地下駐車場にベンツなどが停まっていて、不審者と間違えるが、事務方に報告したら、親が児童を地下鉄やバスには乗せたくないと、車で送迎しているのだとか。コロナで満員電車にわが子を乗せたくない気持ちは解る。それでなくてもいまは変質者もいるから、下校時には親かお手伝いさんなどが迎えにいっぱい来ている。車に乗るのがあたりまえの子供たちで、部屋ではゲームばかり、スマホで遊んだりと、いよいよ歩かないから、たまの遠足は辛いだろうな。
 わたしなんか、毎日が遠足だ。楽しくて仕方がない。天気のいいとき、休みなら、どこへ行こうかと地図を眺め、行ったことのないところまで歩く。ドリンクと弁当もどこかで買って、公園や海辺で昼飯。足から老化するというから、歩くことは老人の健康の源なのだ。本当は8000歩くらいでいいようだが、わたしの場合はその倍は歩く。歩きすぎもよくないのは、股関節や膝がすり減る。また手術となると大変だ。
 この散歩は不要不急の外出にはならないらしい。巣ごもりしていて病気になるよりはいいと医者も推奨している。人のいない自然の中を歩くためにより田舎へ転居してきた。さて、今日はどこへ遠足に行こうか。

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