コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

如何に孫に無関心

 仲間のみんなに聴いてみたい。みんな孫とのかかわりはどうしているのかと。わたしのように、孫も可愛いと、小さいときはあちこちに連れて行って、遊んでやったりしたが、だんだんと大きくなってくると、可愛いという気持ちより、一緒にじじと遊ばなくなるから、いつしか足が遠のく。小さいうちなのだろうか。それでも、孫も嫁さんの顔も7年も見ていないとなると、あんまり冷たいかなと思うのだ。

 いままでは忙しすぎたという理由にもなっていない。コロナもここ一年ぐらいのものだ。その前はいくらでも会えたのに、遊びに家にも行かない。それが今回、息子から知らされてショックなことがあった。

 長男の一人娘はどうしているかなと、平塚に引っ越したら、孫たちの写真を壁にでも飾っておこうと、一年ぶりでメールをした。それぐらい電話もしていないのだ。息子たちともそうだから、孫や嫁さんとのやりとりなんかない。まだ小学生のときの顔より出てこないのだ。青森の三男の嫁さんからは、去年、母親が亡くなり、その香典返しに孫たち三人の一緒の写真が手紙に添えてあった。それを写真立てを買ってきて、一枚だけ入れていたが、東京にいる長男と次男にも写真を送れと頼んでいたが、返事もない。仕事が忙しく忘れているのか、それとも無視されたのか。こんな無関心なじじだから、無視されても仕方がない。どこで何をしているのかも教えていなかった。

 たまたま、おふくろの句集を出すことで、表紙のデザインを頼みたいと電話したとき、長男に、孫娘の写真を送ってと催促したら、すぐにメール添付で送ってきた。最後に会ったのは、東京に出稼ぎに来たばかりの7年前だから、あのときは、小学生で、嫁さんと息子も連れて、千葉のマザー牧場までレンタカーを借りてドライブしたのだ。長男は免許も車もない。どこにも連れて行ってもらえないので、代わりにわたしが家族サービスをしてやろうと思った。それもそのときから実現できていない。

 送られてきた孫娘の写真は、今年の3月に中学を卒業したときのものだ。制服を着て、卒業証書を持って、学校の立て看板の前に立っていた。大きくなったかのか、顔はあまり変わらないように思えた。可愛らしい。その立て看板には、なんと、麹町の私立学園の文字があった。なんだって? その女子学園に三年いて、息子の話では、ストレートで高校に上がったという。私立は高いと書かれていた。わたしがショックを受けたのは、その学校が去年までわれわれが住んでいた千代田区のマンションのすぐ近くだったからだ。買い物に行くときなど、その学校の前もよく通った。銀行も病院もその近くに行っていた。なによりわたしが通勤で使った駅が半蔵門だから、きっと孫娘もそれを利用していたに違いない。知らなかった。知っていたら、学園祭や運動会などカメラを手に見に行ったのに、息子も教えてくれなかったから、そんな近くに通っていたとは。きっと街中や駅ですれ違ったりしていたのだろう。それでも互いに判らないで、祖父と孫が同じ町にいても、他人同士なのだ。

 そこからわたしは千葉に引っ越して、相方も半年前には江戸川区に引っ越した。いまはまた都心に戻ってきていたが、その話を聞かせると、疎遠になっている人はきっといっぱいいると言うのだ。コロナでなくても、日ごろから会うこともなく、別々の生活圏で暮らしている家族。

 長男は、久しぶりに電話とメールでやりとりして、これからは、何かあったらすぐ連絡してよと、いずれは面倒をみなければいけないのだからと言った。去年は、電話で、放浪癖のあるわたしに、「どうしたいのさ」と、やきもきして電話で言っていた。落ち着かない父親を放置していていいのかと。

 まだまだ老後を楽しみたいが、もし、長男一家と一緒に暮らすようになると、生活は一変する。それでもきっと、わたしのことだから、一緒のマンションにもいないときが多いだろう。あちこち旅行して歩いて、好き勝手な生き方をしているか。それとも、息子が仕事で忙しく、嫁さんが前にわたしも海外旅行に一度だけでも連れて行ってもらいたいと、そんなことをわたしにぼやいていたのを聴いたので、孫と三人で十日くらいの旅行もいい勉強にはなるかなと、そんなことも考えたりしていた。嫁さんはよくできた人で聡明なところもあり、いまは共稼ぎだから、一緒に住むとなると、家事はわたしがやるのだろう。じっとご隠居さんをしているわたしではない。買い物に行って、パンを焼いたりスイーツを作ったりと忙しいとは思う。だけど、それでは都心だから、海がない。温泉も遠い。また都会生活に戻るのはもうできないかもしれない。田舎のネズミは都会では暮らせない。

 いろんなことを考えさせられた。嫁さんの家とのつきあいも絶っていた。お歳暮や年賀状も出稼ぎにきてからは、やりとりがなくなる。そういう親戚づきあいも復活してゆかないといけないのだろう。向こうの家にも、どこでどうしているのか判らない風来坊では笑われる。引っ越したから転居のハガキも出してみようか。今度は本当のご隠居さんになったと。

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