コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

土曜の午後は池袋で

 緊急事態宣言下の池袋に、買い物に出る。相方も一緒で、池袋に新しいショッピングゾーンが出来たという。東池袋だから、サンシャインの近くだ。ついでに買い物と食事でもしてゆこうと、久しぶりというか一年以上も来たことのない池袋に地下鉄で降りた。新宿にもバスタには行くが、街には用がない。人混みはどうも嫌いで、それで避けてきたが、それはコロナというわけでもなく、昔からだ。
 昼時なので、先にお昼にしようと、わたしの提案で、思い出したが、スイーツパラダイスというケーキやアイスが食べ放題の店に行こうと言うと、相方は笑う。もう年だから、食べ放題なんか行けないなと、先日に話していたばかりなのだが、スイーツは別腹のようだ。第一、じじいからそういう店に行きたいと言葉が出てくるのが信じられない。
 前々から、一度行ってみたいと相方には話していた。相方は娘と二人で入ったことがあるというが、それはどんなところなのか。パスタやピザもあり、サラダにスープの他に、ケーキとアイスがいろいろとあり、デザートもずらりと並んでいて、80分とか時間制限はあるが、1200円くらいで食べられるという。
 ビルの上にあるスイパラに行ってみたら、すでに予約の客だけでもずらりと並んでいる。やはり、人気があるのだ。しかもみんな若い女の子ばかりだ。とても男一人、ましてじじい一人では入る勇気はない。相方に連れてきてもらうから入れる。スタッフが予約を取りにきた。もう午後もいっぱいで、3時前なら入れると、予約を入れた。それまで、また歩いたりしたら腹も減るだろうと。
 それにしても人が多い。なんだって、自粛しないで若者たちは出歩いているのだと、自分のことは棚に上げる。買い物が目的だから、食べて買ったらさっさと帰ろう。と、新しくできたビルが3棟繋がっている新しい池袋の名物になるという建物に入るが、自粛で飲食店は閉めているし、映画館も閉館。せっかくできたばかりの建物が人がいない。コンビニのファミマまで閉めている。がらんとしたビルの上までエレベーターで上がり、そのまま降りてくる。
 そのエリアに面白そうな店を見つける。輸入雑貨だが、アメリカンポップなものから、ビーチリゾートの輸入品小物だ。自分の部屋に飾るのにちょうどいいと、あれこれと安いのでつい買ってしまう。南国の雰囲気がいい。そんなものなど、いままでは興味もなく、女の子のように、部屋の壁飾りにいいとか、テーブルクロスもいいと、使うものだが、デザインとイラストと色合いが湘南なのだ。蚊取り線香入れの缶も椰子の木とサーフボードが描かれている。コップもそんな柄で、どれも200円前後と安い。センスも悪くない。久しぶりに興奮して買いまくっていたが、安いのでたいした金額でもない。
 コーヒーを飲みにファーストフード店に入ったが、そこも混んでいる。街中ではテレビ局が取材していた。もし、カメラとマイクを向けられたら、どんな用事で池袋に来られたんですかと、聴かれたら、不要不急の用事でと答えようか。
 ようやくスイーツパラダイスに入れた。見事に女の子ばかりの中に一人だけ浮いているじじいがいる。場違いな客だが、それがすごい。トレーにケーキを7個ずつとっては食べ、とっては食べで、3皿食べてしまう。ケーキは小ぶりだが、それでも20個以上は食べたな。それにパスタとカレーとサラダと、ドリンク。ハーゲンダッツのアイスも8個くらい食べたか。きっと、そばで若い人たちが見ていたら驚くだろう。あのじじいはぼくたちの倍は食べていると。
 いつもは胃薬を飲んで、胸焼けばかりしているのだが、それだけ食べても、苦しくないし、タイムリミットで出てきたが、もうひと皿くらいは食べられた。健啖家とはわたしのことだと、相方も飽きれて聞いていた。本当に来月で70歳なの?
 たまには、そんな店に入りたい。スイーツ男子というものもいる。スイーツじじいもいてもいい。コロナの自棄喰いだろうか。これじゃ痩せられないな。


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