コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

面倒くさ

 引っ越してから、やることは山とある。連休が挟んだから、役所はどこも休みで、ようやく連休が明けた日の仕事休みに、市役所に出かける。東京都にいたときは、マイナンバーカードがあれば、転入の書類は書かなくてもいいと、千葉市でも簡単に終わったのに、平塚市では、転入の書類を書かせられた。自治体によって違うのか。何か、マイナンバーのありがたみがない。連休明けなので混んでいると覚悟してきた。やはり予想通り、待っている人が多い。図書館で本を借りようと思ったら、この日は休館で、読む本がない。ちゃんと休館日も調べておかないと。
 ようやく番号で呼ばれた。マイナンバーを出したら、パスワードは? と聞かれた。そういえば、4年前に目黒区で作ったときに書かせられたが、忘れた。それで再設定することになる。四つのパスワードが必要と、いろんな場合に使い分けるらしい。それともひとつのパスワードで統一するかと聞かれた。パスワード管理をしていないから、ボケもあるし、また忘れるに決まっている。老人にパスワードはいらないようにしたい。その代わり、愛人の名前とか、秘密のヒントにしたらいい。愛人の名前も忘れたら厄介だ。子供の名前も忘れるくらいになると、もう何もできない。
 マイナンバーがすでに三つの住所で、これから平塚を出ると、書くスペースがない。新たなカードを作る必要があるからと書類を渡された。このQRコードをスマホで読みとって、アクセスしてそこから申し込みできます。と、またスマホだ。なんでもスマホはできない老人はどうするのだ。スマホを持っていない人はこの国では生きてゆけないのか。
 最初からおかしいと思ったのは、マイナンバーカードに手書きやハンコで新住所を入れることだ。そんな原始的なことをしている。デジタルがどうしてもアナログに頼るところが不可解だ。わたしの通っている歯医者では、予約カードに予約日が機械を通して入れられる。それが印刷なのかどうか、次回の予約日が上書きされて出てくる。どうしてそういうものがあるのに、それにしないのだろう。偽造されるからだろうか。
 次に介護保険の窓口で申請。一年間くらいは口座引き落としになります。千葉市では年金天引きになっていますから、一回分くらいはダブるので返金されますと、まただ。いままでもそうして重複して取られて返金になった。それもどうにかして、面倒な手続きもいらず、スムーズにできないものか。
 2時間かかって、ようやく終わる。次に市役所の裏にある警察署だ。そこも混んでいた。免許の住所変更だ。それとて、裏に新住所を書いてくれるのだが、何度も引っ越す人なら書ききれなくなる。わたしの場合は、まだ千代田区、千葉市、平塚市と、この一年半で三回の引っ越しだが、それでも裏面は賑やかになる。あまり待たせるので、椅子に座って居眠り。名前を呼ばれて起こされた。白髪のじいさんが免許の返納にきていた。そうか、わたしよりは年上だが、わたしも後10年は乗れるかな。どうせ使わない免許証だ。一年に一度ぐらいレンタカーで使うぐらいで、なければなくてもいいか。免許取得して50年、無事故ではいた。ただ、逆走するかもしれない。ブレーキとアクセルを踏み間違えるよりも、助手席に座っている人の足を踏むかもしれない。ウインカーとワイパーと間違うかもしれない。ボケる前に返納しないと。
 そうして窓口での住変は終わったが、今度はクレカと銀行、年金三か所への住変だ。それがまたスマホからなのだ。どうしてもできないで、楽天銀行なんか、いまだに千代田区の住所で、どうしてか先に進めずずっとそのままに放置していた。電電話番号変更もできない。パスワードは忘れる。IDは何だったか。面倒くさ。そんな手続きのいらないスマホもインターネットもない国に引っ越したい。


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