コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

立つ鳥跡を濁さなくても

 4月の末、仕事明けの祝日だった。昔は天皇誕生日、それからみどりの日、いまは昭和の日だって、ころころ変わるから覚えられない。それで東京などは緊急事態宣言発令の初日で、今日からゴールデンウイークならぬブラックウイークが始まる。その初日に暴風雨。職場から傘を借りた。この日は稲毛のマンションの立ち合いがある。すっかりと荷物は平塚に運んで、空っぽの部屋なのだが、掃除もしないと。午後にガス会社が来る。電気はこの日で止めてもらう。明日は管理会社に引き渡し。それで、千葉と神奈川を往復していたら、電車賃が高いので、千葉に泊まることにした。どこかないかとネットで調べたら、スーパー銭湯が安く泊まれる深夜パックというのがある。3千円もしないで、ごろ寝だが、翌朝の9時までは風呂に入って寝られるのだ。それが蘇我にもあるが、もっと近いところでは新習志野駅前の、わたしが前に入ったことのある湯ねーるというスーパー銭湯に泊まることにした。
 雨はざざ降りで風も強く、傘が折れそうだ。連休初日がこれだから、誰も行楽には行かないだろう。ガス屋は午後1時の約束だから、まだ時間はある。地下鉄の錦糸町で降りて、駅前のマックで読書。リュックサックには図書館に返す本が10冊入っている。それが稲毛図書館の最後の本だ。最近は読みたくないタイトルだが、ついつい手が出るジャンルに「老い」がある。老い方の研究でもするのか。
 錦糸町で昼飯を食べようと思ったら、あまりいい店もなく、稲毛駅前に前から気になっていた和食の店があり、そこにしようと電車に乗る。和食の店はビルの上なのだが、意外に混んでいた。美味しそうなメニューが並ぶ。一度入ってみようと、とうとう引っ越して最後に入ることになる。食べていたらガス屋から電話で、立ち合いが多くて大変だと、日割りでいただくガス代も口座から引き落とすので、立ち合いはなしになる。保証金も振り込むということで、月末だから引っ越しも多いのだろう。それでは急ぐこともないと、ドリンクバーでコーヒーなど飲んで、そこでも読書。
 図書館へ行って、最後の本を返した。それでも新聞と新刊をまた読んで時間潰し。リュックは軽くなる。
 マンションに寄ると、レンジ台の下から風呂場、部屋の床からクローゼットの中、ドアまでみんな綺麗に掃除する。だけど、ピカピカにしたところで、どうせ、また難癖をつけられて、敷金は返ってこないのだ。掃除代としてどうしても取る。クローゼットのドアに欠けたところがある。それは入居したときにスマホで写真を撮っておいた。出るときに文句を言われないように。不動産管理会社というのは、どうもそういうマニュアルがあって、みんな撤去のときには同じことを言う。いままでもそうだった。まずは、部屋に入るなり、「タバコを吸いましたね」と、臭いを嗅ぐ。わたしはタバコはやめて久しい。壁のニコチン焼けなどしていない。換気扇も掃除はしていないが、そこまで見る。汚くなって当然だ。それだから、なんとしても敷金は返さないつもりで来るので、こっちも掃除なんかしなくてもいいのだが、やはり立つ鳥跡を濁さずで、汚したままではこっちの気持ちが収まらないと、借りる前のようにした。粗大ごみは二週間前に出しておいたし、どこもここも綺麗で問題はない。
 そこまでしたら、夕方。明日はまた来ないといけないと、稲毛海岸駅まで歩いて、そこから新習志野駅まで京葉線で向かう。大雨だから空いているかと思ったら、スーパー銭湯はいっぱいだった。みんな行くところがないからと押し掛けた。黙浴の注意書きがあちこちに貼ってあり、テープで繰り返し「会話禁止にご協力ください」と、流している。換気のために窓はすべて開けている。三日前に平塚の銭湯に入って、いままただから、垢は取れているだろう。それでも汗はかいている。いつもは老人が多いが、連休だから家族連れや若者が多い。雨の露天風呂はシャワー付きだ。それが豪雨ならすごいだろう。滝に打たれて修行中みたいな。
 晩飯はぎりぎり食堂で注文ができた。忘れていたが、8時で閉めるのだった。昨日は職場で睡眠不足だった。連休に入るので、先生や事務もずっと残業していて、帰ってから閉めたので、寝たのが12時。4時間ぐらいしか寝ていない。それで休憩室のリクライニングシートで横になるとテレビを見ることもなく眠っていた。
 ゆっくりとした。翌日は朝湯にも入り、露天風呂から見上げた空は青空。今日は月末で晴れ。駅前で朝飯と思ったら、どこも時短で閉めている。電車で稲毛海岸駅まで戻り、そこでも時短か。24時間やっているドライブスルーのマックならと入ったら、ハンバーガーは10時半からと、ここでも朝飯は食べられない。時短も考えものだ。いま、このブログをそこで書いてコーヒーにありついている。立会人から電話で昼というから、マンションに行って、そこで途中買った昼飯を喰っていたらにこにこと不気味に愛想のいいお兄さんが来る。見たら綺麗なので、文句も言わずに、敷金は返すような言い方。本当か? 鍵も2個返した。名残惜しいこともない。
 それで早めにすべてが片付いたので、時間が余る。昨日、最後と言った図書館を通るので、そこでまた本を読みながらだらだらといた。眠い。区役所まで歩く。その先にある。転入してきたときに来たきり。次に転出で来るほど普段は用事のないところだ。区役所の隣に広い公園があった。知らなかった。出るときになって、いろいろといい町だと知る。緑が眩しい。明日から五月なのだ。千葉はこれからは旅で来るのか。介護保険もいらないから破り捨てた。それにしてもよく歩いた。疲れているから判る。引っ越し疲れが出ていた。


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