コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

引っ越しの日はトラブルばかり

4月下旬にようやく引っ越しとなる。一人でも運べると思ったが、相方が手伝うというので、仕事明けに地下鉄駅で待ち合わせ、一緒に稲毛駅まで来た。駅前のレンタカーの営業所からボンゴのバンを借りた。相方は小さいわ、全部入るの? と心配して言う。わたしはいい加減で、入るだろうと、古本屋のときのように、詰めたらなんとかなりそうと軽く考えていた。
 果たして、マンマションに着いて、三階から階段を使って下ろしたが、最初に自転車を入れて、次にかさばるベッドとソファ、食卓に椅子二つ、炬燵にダンボール箱5つに衣装ケース4つと入れて行くうちに、これは全部入らないなと、物理的に無理と知る。だから、大きな車にしたらよかったのよと、わたしは大は小を兼ねるという言葉を忘れていた。ロングのワゴンかハイエースクラスでよかったのだ。それが3000円安いからと、ボンゴにしたのが間違っていた。そのためにもし載りきらなかったら、宅配便で箱のものは出そうと考えていたので、それならと、ダンボール箱と衣装ケースで9つを近くのコンビニまで車で運んで、配達してもらうことにした。そこで余分な時間と費用がかかった。たった3千円を惜しんだことで1万円以上も高くついた。すでに汗びっしょりだ。残りの家財は入るのか。うまく詰めたらみんな入った。さすが、元古本屋さんと、相方から賞賛されるも全然嬉しくもなんともない。
 ETCカードを挿入して、ナビに住所を入れたら、後はナビ嬢の声で誘導してもらう。高速に入り、天気はいいが風がある。車のハンドルがとられる。去年の秋に千代田区のマンションを相方が引き払った残りをワゴン車で運んだとき以来の運転だ。一年に一度レンターに乗るかどうかというくらい、首都圏では車を使う機会は少ない。電車と宅配便で用が足りる。
 それにしても家財が増えた。千代田区から一年前に宅配便で5箱送らせた引っ越しから、何倍にも増えていた。何を買ったのか。冷蔵庫とベッドと食卓とステレオとテレビなど、衣服や食器、家庭日用品もすべて千葉に来てから買い揃えた。自分の衣服だけで千葉に来たのだ。その後に相方も秋に引っ越して、三番町のマンションに残されたものを千葉まで運んだ。オーブンレンジと扇風機も二つずつあるので、ひとつは相方に戻すことにした。それで九段の相方のマンションに寄って、積んできたレンジと扇風機を下ろす。代わりに、わたしに掃除機はいらないからとよこした。
 都心に寄ったので少し時間がかかる。それから首都高に乗り、東名高速に入る。2時を過ぎていた。昼飯もまだ食べていなかった。それで港北のサービスエリアで食べて行こうと寄ったが混んでいた。トラックの運転手でレストランもいっぱい。昼時が過ぎたら、定食はすべて終わり、麺類よりないので、仕方なくラーメンにする。味はよかった。運転手たちはよく知っている。
 高速に乗ると近い。都心から1時間もかからない。茅ケ崎から降りて、平塚市街へと入ってきた。高速も湘南方面へと伸びている。無事にマンションの前に着いたが、そこでもまた問題が発生する。入口を塞ぐように軽の乗用車が止めてある。運転手はいない。こんなところに止めてと、文句も言えない。ともかく車から荷物を下ろす。そこに外人さんが来た。背の高いがっちりとした人で40代くらいのアメリカ人で流暢な日本語を話す。この二階の住人だという。車の隙間から持ち上げてエレベーターまで運ぼうと、彼が提案する。男二人で持ち上げたら入れられると。見ず知らずの人と二人で一番重く大きな冷蔵庫を停めてある車の上を通して運んだ。後は軽いものばかりだから大丈夫と、お礼を述べた。いい人が住んでいる。
 相方とエレベーターで上の階まで運んでいたら、件の運転手が戻ってきた。睨んでやるとぺこりと謝る。管理人さんは午後はいないのだ。
 荷物をすべて部屋に入れると、レンタカーに給油して駅前の営業所に乗り捨ての契約なので、入ろうとしたが、交差点でも一番交通量の多い角にあるところ。入りたいがどこかで回り込んで入らないといけない。なにからなにまでついていない。
 車を返したらほっとする。事故もなく引っ越しは終わっていた。夕方で、今度は喉が渇いていた。それで近くのスーパーの二階にあるイタリアンレストランで夕食となる。さっき食べたばかりだから、エスカルゴやチョリソーのようなつまみ程度でいい。デキャンタでテーブルワインも頼む。それとドリンクバーで水分補給だ。汗臭い。ジュースもコーヒーもじゅわーと体に浸透してゆくようだ。
 引っ越しは重労働だ。これを一人でしようとしたが、一人では大変だった。冷蔵庫なんか持ち上げられなかった。相方に改めてお礼を言う。外人さんもいて助かった。ともかくこれで千葉のマンションは空になり、引っ越しは完了した。スーパーで買い物してから、また部屋で酒盛りしようと、乱雑な部屋に入り、今度は片付け。コーヒーでも飲もうと、IHヒーターを点けるがどうやら故障しているようでつかない。最後までトラブル続きで頭にくる。明日は不動産に言いたいことが山とある。血圧が上がる前に寝てしまおうか。


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