コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

平塚散策 1

 4月になった。年度は変わり、学校は入学式と新年度に向けて先生たちも忙しい。夜晩くまで残業していて、われわれはそれから見回るので、また寝不足か。翌朝はそれでも5時には起きなければ、教頭先生が5時半には来るのでシャッターを開けておかないと。寝不足で迎えた仕事明けに、桜の散った正門を抜けて、渋谷まで歩いた。今日は、新居のマンションの鍵をもらいにゆく日で、平塚に泊まるのだ。そのため寝袋や髭剃りなど旅行か、キャンプみたいな気分で出て来た。渋谷まで学校から歩いて6分だ。渋谷から平塚までJRで乗り換えなしで行けるのが一番早い。湘南新宿ラインは、渋谷も通る。なのだが、電車賃を安くするため東横線で横浜まで行って、そこからJRに乗り換えると、何百円か違う。時間は少しだけかかる。
 午前中に平塚駅前の不動産屋にいた。鍵を二つもらう。ディンプルキーだから少しは安心。不動産屋の話では、ドアと鍵も新しく大家が換えたとか。そうしたらドアが少しきつくなったと言っていた。なにせ、まだ中を見ていなかった。内見ができなかったのは、先月までまだ入居していたので、見ないで写真だけで契約した。駅から歩いてどれぐらいか測る。ゆっくりと歩いて18分。さっさと歩けば15分で行くだろう。それは千葉のいまいるところと同じぐらいだ。駅前通りを北に向かえば、突き当りの神社が平塚八幡宮で大きい。そこがまるで街の真ん中で市民生活を見守っているかのように、いい場所を占めていた。いちょう並木大通りを歩くと、郵便局の本局がある。それから横浜ゴムの大きな工場。戦前は火薬工場であり、軍の火薬廠であったところ。それがあったからか、昭和20年の7月に空襲を受けてほぼ全市が焼夷弾で焼けた。その火薬廠の碑が通りに面してある。
 セブンの前を過ぎる。その二階がフィットネスクラブになっているが、もういいだろう。こっちに来ても通うことはなく、自分でメニューを決めて、公園と部屋で毎日やればいい。
 いろいろと今後のことも考えていたら、新しいマンションに着いた。管理人さんがいたので、ゴミの出すところ、自転車置き場、郵便受けのダイヤル番号など聞いた。エレベーターで五階へ。やはり建物は古い。築28年と言っていた。部屋は綺麗だった。ドアが硬い。足で蹴飛ばして閉める。がらんと何もない部屋だ。床のフローリングの柄がセンスがない。レンガ模様のプリントなのだか、凹凸がある。掃除も考えないと。それと、地階にあるワインバーの壁紙なら判るが、床に貼る柄ではないだろう。内装屋も大家もセンスがない。まあ、ものを置くから床は見えないだろうが。ベランダの窓を全開にして換気する。台所はいままでよりも小さい、IHヒーターだから、煮炊きはいままで2口のガスコンロであった。グリルもないし、魚はフライパンで焼くよりない。東京生活ではみんなこんなものだった。相方のいまいるところもIHヒーターひとつよりなく、それで料理をしている。一度に三品は作れないのだ。下足箱はある。靴も数えるくらいしか持っていないのに、何か別のものを収納しよう。クローゼットは広い。老人一人には十分だ。ベランダからの眺めもいい。東向きの部屋だろう。千葉と同じ向きだ。バストイレは一緒だがそれもいままでと同じ。通路から山が見える。ネットで調べたら、標高1252mの丹沢大山という国定公園のようだ。西側には標高168mの高麗山が見える。山が見えるのが嬉しい。千葉でもなかったし、東京には海も山もなかった。田舎者のわたしはそれだけで嬉しくなる。
 午後にはガス屋が来るから、いまうちに買い物に行こう。近くに業務スーパーがある。コンビニも近いがスーパーはそれよりない。交差点には横断歩道がなく、地下道がある。階段で降りてゆくと、五差路みたいな真ん中にルーレットの回すようなモニュメントがあり、さて、どちらに行けばいいでしょうと、少し考える。こっちだと、出たら違った。また入り直す。迷ってようやく人に聞いてスーパーに辿り着く。周辺には学校ばかりだ。看護学校に高校、ろう学校もある。また買ってはいけないおやつを買ってしまう。弁当だけでよくなかったか。
 午後に少し横になって寝ていたらガス屋が来て開栓した。お湯が出る。これで水道と電気とガスがみんな使える。前に千葉に越したとき、当然ブレーカーを上げたら電気が点くものと思っていたら、点かないで焦った。初日から真っ暗でトイレにも入れない。ガスもつかない。翌日になって、電話して開栓してもらう。いまはいろんな電力の自由化でうるさい。黙って東京電力と東京ガスでいいのではないのか。それがうちにうちにと不動産屋も絡んで、すぐにはできないのだ。相方もいまいる所に引っ越して何日も電気が点かず、うちに泊まりにきた。それだから、今度は手配をすぐにしてよかった。
 昼飯も喰って、午後は少し近辺を歩いてみようと、出かける。手ぶらに近い。迷うといけないので、スマホのグーグルマップだけは見よう。前はバス通りになっていて、ひっきりなしにバスが走る。五差路を曲がれば、すぐに交番がある。おまわりさんが近くにいると安心だ。それからうちのマンシヨンの裏に大きな平塚共済病院がある。今度はここに九段の病院も国家公務員の共済病院だから紹介状を書いてもらって来よう。脳梗塞と心臓の救急センターもある。歩いてもすぐだから、救急車はいらないな。入口でばたりと倒れるか。
 その先に、運動公園がある。運動だけでなく、かなり広い市民の憩いの公園になっている。桜は散り始めていたが、春休みの平日なのだが、家族連れで賑わっていた。ここではコロナは無縁のようだ。


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