コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

大人の休日倶楽部ふたたび

 しばらく退会していたJR東日本の大人の休日倶楽部を思い出した。50歳過ぎたときから、ずっとミドル会員でいたが、そのとは、旅費は5%引きぐらいであったか。男性が65歳過ぎたら、ジパングの会員になれて、長距離の運賃が30%引きになる。それをすっかりと忘れていた。カードを作るに、仕事をしていなければ有利ではないので、いまのうちにとネットから申し込んだ。忙しくて忘れていたのだ。
 あれほど、年に何回かある14000円で3日間とか4日間東日本の新幹線と特急が乗り放題のフリー切符を発売して使える特典があって、わたしは毎回、それを購入して、東北と関東は大方、回ったというのに。その期間は、シーズンオフなど暇なときが多いのだが、切符を手に新幹線に乗り込むと、中年から老年の男女が同じ切符を手にいっぱい乗り込んでいた。旅好きにはたまらない企画で、わたしは、だいぶ利用したが、それでもまだ行ったことのないところはないかと地図を眺めていたものだ。
 古本屋の仕事は旅もままならぬ。ネット通販をやるようになってからは、客を一日と待たせることはできなかった。メールで注文が来て、すぐ送ってくれと、急がせる。それが何日も返事もなければ相手は怒る。それだから、店を閉めたりすることもできなかった。
 息子が東京から戻って、跡取りをするようになって、初めてわたしは海外旅行にも国内旅行にも一週間とか出かけられるようになった。
 いま、一人になり、5月からはリタイヤすれば、自由な時間が増える。コロナも早く終息してくれたら、今度は大手を振って旅行に行ける。そうなれば、3割引きというのは大きい。青森に帰省するときも、往復で新幹線で3万円以上かかっていたのが、3割引きで2万円で行けたら安いものだ。それと、フリー切符を売り出す期間には、さらに羽根を延ばせる。
 50歳から旅行再開したが、それまで20年くらいは東京にも行っていなかった。それどころではなかった。ようやく旅の時間を持てたのが、大人の休日倶楽部があったからだ。
 それで出かけたのが、伊豆半島と三浦半島、房総半島と三つの半島を三日間で回るという強行軍もあった。富士山に登ろうと六合目で靴擦れがして引き返したこともあった。古本屋巡りだと、山形と新潟を回ったこともあった。美術館巡りと、信州穂高の碌山美術館や上田の無言館は車がなければ行けず、代わりに山本鼎を見たり、軽井沢では脇田和の美術館を、小諸では小山敬三を見た。新幹線が使えるので早く移動できた。
 旅には目的を持つ。グルメでもいいが、泳ぎに行ったり、山歩きをしたりと、ローカル線も乗ってみたい。あるときは、3,11の翌年に、図書館巡りと、震災の原発事故で人口が半減した南相馬市の原町図書館を訪ね、立ち入り禁止区域まで歩いて行ってみたりした。甲府の図書館もよかった。あちこちの図書館巡りもそのほうのフェチなので、フリーパスを手に出かけられた。


 これからは、仕事に遠慮することもいらない。青春フリー切符のつもりで、老年フリー切符は、行ったことのない小さな温泉町にも行ける。交通費を気にすることなく、自由に動けるのがいい。今年は、それを利用して、温泉場を制覇してみよう。一度行ったところには行かない鉄則があるので、入ったことのない銀山温泉や鳴子温泉にも行ってみたい。
 北は函館まで、西は福井までだったか、その区間は自由なのだが、前は糸魚川までだったときもあった。富山まで、少し足して行けたし、福井までのときは、京都まで別に払って足を延ばした。そうすれば関西までも行けるのだ。
 ご隠居さんになると、もう旅より楽しみがなくなる。それも気楽な一人旅で、このブログも旅行記になるのだろうか。


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