コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

コインルームはどうだろう

 空き店舗やオフィスビルやマンション、アパートの古い建物は空き部屋が多い。それを活用するために、時間貸しのスペースで会議や集会に使ってもらう商売も出てきた。全国的に増えてきたのは、トランクルームだ。うちの青森の古本屋ビルも上が空いていたので、それを考えたことがある。初期の設備投資もかかるので、借入ができなく、やれなかったが、やらないでよかったといまになり思う。都内のトランクルームはできすぎて、競争激化し、どこのホームページを見ても、値下げしてきている。3割以上も下げていても、なおも埋まらない。需要に対して供給が多すぎる。うちの千葉の周辺にもかなりある。畳一枚分のスペースで3千円からとあるし、宅配便で送ると一箱250円で月額預かるというところも出てきた。車で取りにくるという会社まで出てきて、待つよりはこちらから受け取りに行くという積極的な会社だ。倉庫も余っているし、駐車場も余ってきているので、そこにコンテナを置いて、トランクルームにしたりしていた。
 民泊もなりをひそめたようだ。コロナで外人が来ないし、旅行も減って、立ちあげてからオリンピックを宛て込んだが、延期になり、目論見が完全に外れて、がっかりしている人も多いだろう。それより、民泊の料金を見たら、高すぎる。一泊素泊まりで8千円と、何を考えているのか。それなら、その辺のビジネスホテルよりずっと高い。どんなもてなしをしようが、高いと敬遠される。それだけのサービスがあるのだろうか。何も調査もしないで、料金設定したようなシロウト考えが見えている。
 いま、東京の山谷や大阪の西成あいりん地区の木賃宿が、一泊千円で外人観光客のバックパッカーたちに人気があると一昨年は話題になった。わたしもバックパッカーであちこち旅行したが、安く泊まれるゲストハウスやホステルばかりネットで探して泊まり歩いた。ひとつの町に六日とか一週間も連泊するので、一泊五千円というと泊まれない。ヨーロッパでも西側は三千円が上限で、東側はその半分で泊まり歩いた。東南アジアは一泊が700円ぐらいのものだ。それも二人での値段だ。日本だけが、どうも一人いくらの値段なのだ。外国人は海外と日本での違いに首を傾げる。一部屋いくらではないのかと。日本でもバンガローやコテージでは一棟いくらと、何人泊まろうが同じ値段だが、どうして、ホテルも旅館も外国と同じようなシステムにしないのだろうか。だから、向こうから旅行に来ると、日本のホテル旅館が世界でも高いほうと思うだろう。一週間、ちらりと日本に旅行に来るなら、一泊何万円もするホテルでもいいが、ひと月二月と長く旅行している人たちにとっては、宿泊費がかかりすぎる国なのだ。


 それで、空き部屋の活用方法として、コインロッカーのように、ドアにスマホで支払いもできるし、鍵の代わりにスマホで開け閉めできるキーを取り付けて、ワンルームを一日24時間いくらでもいいし、1時間いくらでもいいが、何人利用しようが、コインロッカー式に部屋を開放したらどうだろう。法的な問題はどんなことがあるのか。いまは、ネットカフェは時間貸しの間仕切りだけの一人分か二人分のスペースだが、そこは喫茶店としての営業許可なのだろうか。宿泊施設とすれば、許可が難しくなるので、一日、一時間のレンタルスペースとして、ワンルーム6畳くらいに、ソファベッドがひとつ、机と椅子だけがあるようにする。寝ようと思えば、ソファをベッドにして二人は寝られる。ただ、寝具はないので、雑魚寝になる。エアコンはセントラルヒーティングで、冷暖房だけあればいい。トイレとシャワールームは共同にする。簡単なキッチンも用意する。自炊する人には助かる。それでワンルーム一室千円から二千円内で一日使えたら、ネットカフェ難民の若者たちも助かるだろうし、外人のバックパッカーたちもみんなで利用できる。テレワークで自分の仕事場としても使えるし、お父さんたちには休みの日の男の隠れ家にも使える。ラブホの代わりにされたら困るだろうが、そういうスペースに改装するにしても設備投資は少なくて済みそうだ。
 がらんとした何もない部屋でもいい。そこが和室で畳が敷いてあれば寝ることもできる。バックパッカーたちは寝袋を持ち歩いていたりするが、布団なんかなくてもいいのだ。寒かったり暑かったりしないように空調だけしていたらいい。
 京都で外人たちに人気なのが、カプセルホテルだと聞いて驚いた。一泊3千円からある。それも日本にしかない珍しい宿泊形態で人気があるのは、安いということだ。都内のカプセルホテルもわたしは随分と利用したが、外人観光客ばかりだった。それでも3千円からというと高いほうだろう。夫婦で6千円かかるのだ。それが、ワンルームのコインルームなら千円から利用できる。24時間やっていれば、終電に乗り遅れたサラリーマンも使えるし、ホームレスの人たちも助かる人が出てくる。千円というのは、ネットカフェが1200円くらいからあるので、それより安く設定したい。しかも、足が長められ、広い空間だから、ネットカフェの足も延ばせないフラットシートのブースよりはずっと楽だ。
 どなたか、こんな商売をやってくれたら、世の中助かる人がいっぱいいると思うのだが。

×

非ログインユーザーとして返信する