コロナノコロ

コロナ生活から思うこと

緊急事態か非常事態か

 感染者が異常に増えてきて、緊急事態宣言が発出された。前回よりもゆるい内容だが、これからの動向からはさらに厳しい内容に修正されるかもしれない。商売をしているところはどこも大変で、わたしのように商売人であった者にはその痛みがよく解る。稲毛駅周辺でもどんどんと店は閉めて、空き店舗になっている。大家さんも賃料が入らなくなるから苦しいだろう。
 年賀状で、大阪の友達の靴屋が閉店したと知らせてきた。親の代からの履物屋で、彼もわたしと同い年なので、仕事はやめてもいいのだろうが、暖簾を守ってゆきたいといいう思いはあったろう。
 そういう話ばかりで、郷里の青森はどうなっているのだろうかと、心配している。わたしの文学仲間にはいないが、商売仲間がいる。古本屋仲間だけでなく、菓子屋から日専連の仲間、ショッピングセンターのテナント仲間もいた。みんなどうしているのだろうと、気がかりだ。
 青森に帰るたびに、だれだれが死んだとか、破産したとか、夜逃げしたとか、そういう話ばかり聞かせられ、地方都市はコロナでなくとも疲弊していたのに、追い打ちをかけるようにコロナと豪雪だ。ネットで青森市の雪情報というと、地図が出てきて、県内の市町村の位置をクリックすると一時間おきの積雪と気温が出てくる。1月8日現在では青森市の積雪は86センチの気温はマイナス7度とある。それでも大雪も小康状態になったようだ。
 毎年の冬は雪によって、商売も上がったりというのが雪国で、猛吹雪の日は客が来ないで売上ゼロという日は珍しくはない。それは例年冬は仕方がないが、コロナでは、天候は関係がない。飲食店をやられている友人も多く、青森はまだいいが、首都圏では午後8時閉店となり、これからは閉店倒産が相次ぐと予想されている。
 職場の近くの青山通りでも、空き店舗が目立つようになる。どの商売でも難しいということか。外食はわたしはあまりしないが、コーヒーを飲みには入る。それもプラ板で仕切られ、とびとびに座らせ、会話は控えてと、静かなものだ。本を読んだり、タブレットを打つときは最適な個室感覚で趣味事ができる。長居はしないでというから、一時間で出てくる。規制が多いのは仕方がない。クラスターが発生してニュースになると、店は臨時休業になる。食中毒と同じだ。


 感染者は7日で東京が2500人、全国で7千人を超えた。一人の感染者が出たら、家族や同僚、接触者に感染して、もし、倍々で増えて行ったら、日本全国民に感染するまで二週間もかからない。そんな計算をしてみる。あっという間なのだ。驚くこともない。
 さりとて、わたしは怖いと思ったことはない。テレビでもやっていたが、最近話題になる正常性バイアスがわたしにもあり、楽観的なのだ。自分だけは罹らない、罹っても負けないと信じている。それだけ日々、鍛えて、健康に留意し、酒とタバコはやらないし、持病もいまのところはない。抵抗力はあると思うと、そういう過信した人がある日突然コロナで死ぬ。横綱も罹るくらいだから、肉体的に普段から鍛えている人でもなるときはなるのだ。コロナを甘くみてはいけない。
 それでも仕事には行かないといけない。テレワークなんか、一部のサラリーマンだけで、多くの労働者は現場で働かないといけない。みんなひとつ覚えのように、テレワークしてください、7割にしてと目標も言うが、できない職種のほうが圧倒的に多いのだ。パソコンだけで仕事ができる人は稀で羨ましい。
 なので、毎度千葉から東京まで一時間少し、満員電車に揺られて通勤するのだが、コロナが怖くて通勤できるかという思いをみんな抱いている。慣れということもある。罹った人が不運なだけだと、誰が今度は貧乏籤を引いて当たるのか。
 わたしのように学校では児童がいるから感染しないように、いつも心掛けている。学校が一人のために休校になったら迷惑がかかる。ましてや高齢者で死んだとなると、噂はすぐに校内を駆け巡る。体温は朝晩いつも目の前に検温器があるので測るし、保健婦さんもいるので、何かあつたら保健室で先生に診てもらえる。それにしても先生や職員、スタッフなど千人以上いるのに、誰も罹らないのが不思議だ。


 まだ春のような緊急事態の締め付けではないから、図書館もやっているし、温泉もやっている。学校もやっているから仕事がある。これがあの3月4月のときのような、二か月近く休校となると、自宅待機で暇を持て余す。図書館も閉鎖で本も借りられない。古本屋も閉めていた。スーパー銭湯も閉めていて、夏は海も閉鎖で遊泳禁止。旅行もダメと言われたら、すっかりと引きこもりで精神的におかしくなりそうだ。
 このまま感染者が増えたら、きっと春より強い締め付けでロックダウンもあるかもしれない。いまのうちに古本屋の店頭から安いゾッキ本を買い集めて備蓄しておこうか。


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